博物館概要

エドモントサウルス  豊橋市自然史博物館は、県内初の本格的な「自然史博物館」 として昭和63(1988)年5月1日に開館した。昭和58(1983)年に豊橋市はアメリカのデンバー自然史博物館(現デンバー自然科学博物館)と友好提携を結んだ。それにともない、豊橋市は中生代白亜紀後期に生息していた草食恐竜エドモントサウルス・アネクテンスを購入し、 市制施行80周年記念事業として自然史博物館を建設した。

 博物館の敷地は動物園と隣接しており、平成4(1992)年4月29日に自然史博物館、動物園、遊園地の敷地・設備が整備され、全体として豊橋総合動植物公園となった。
 自然史博物館は、これからの生涯学習の場として、子どもからお年寄りにいたるまで、地球の歴史と自然のしくみについて学ぶとともに、自然に親しみ、自然を大切にする心を養うことを目的としている。

ふれて楽しむ化石壁  展示構成は、地球・生物の歴史をたどる展示と身近な郷土の自然史を紹介する展示からなりたっている。 展示は地球の誕生した46億年前の世界からはじまり、古生代展示室中生代展示室エドモントサウルス展示室新生代展示室へと、新しい時代に 向かって、過去の世界を体験できる。 ジオラマと豊富な化石やレプリカを組み合わせ、各時代の環境と生物の移り変わりを紹介している。最初の生命の誕生からわたしたち人類が現れるまでの長い進化の歴史を学ぶことができる。
ジオラマ「ため池の自然」
 郷土の自然展示室では、東三河とその周辺の自然と生きものについて、郷土の自然へのいざない、海の自然、豊川の自然、陸の自然、変わりゆく自然をテーマに、豊富な実物標本やジオラマ、模型などでくわしく紹介している。博物館前の広場には実物大の恐竜模型が10体あり、恐竜の世界を楽しむことができる。

 所蔵資料は、生物系、地学系の標本をあわせて、令和2(2020)年度末に約55万5千点に達した。これらのうち、約4,200点を常設展示している。標本はそれぞれに適した処理がなされ、温・湿度の変化に弱いものは、恒温・恒湿の収蔵庫に保管されている。これらの資料をもとに、特別企画展などの展示や研究報告、資料集などの刊行物として成果を発表している。

 教育普及は、学芸員や外部講師を招き開催する自然史トーク、自然観察や室内実習を行う学習教室など月に2回程度開催している。特別企画展は年に1~2回開催。企画展は年に数回行っている。また、博物館展示の導入としての大型映像の上映や学会、シンポジウムなども特別企画展示室で開催している。自然科学の現状を知り、自然観察・標本採集などをとおして、自然に親しみ、自然への理解を深める普及活動に力を入れている。