鉱物・鉱石の標本
地下資源館では「世界の鉱物・鉱石展示室」で、外国産の鉱物や工業原料となる鉱石を展示しています。
メイン展示は、中国の北京地質博物館、アメリカのデンバー自然史博物館、オーストラリアのビクトリア州立博物館から寄贈された鉱物のコーナーです。
その他誕生石など、宝石の元となる原石鉱物の展示をおこなっています。
このページではこれらの資料の一部を紹介します。
誕生石原石
1月の誕生石 ガーネット(Garnet)
産地: アメリカ アラスカ州
- ザクロを意味するラテン語が語源。結晶が、ザクロの実の色や形に似ているためで、日本名も「ザクロ石」です。
- 赤色が普通ですが、緑色もあります。
- はっきりと結晶の形がわかるものが多く、古くから宝石として珍重されました。
- この標本の結晶は、直径2.5cm程で、色は濃くて黒っぽいです。
2月の誕生石 アメシスト(Amethyst)
産地: ブラジル
- 紫色の水晶のことで、日本名も紫水晶。水晶の中ではもっとも価値があります。
- 熱や紫外線に弱く、日光や電灯に、長い間さらされると、色が薄れてきます。
- 西洋では、「酒に酔わない」ためのお守りとして利用されました。
- この標本は、火山岩の晶洞内に、紫水晶の結晶が成長したものです。
3月の誕生石 アクアマリン(Aquamarine)
産地: パキスタン
- 「海の水」を意味するラテン語が語源。
- 鉱物名は緑柱石で、水色ならアクアマリン、緑色ならエメラルドです。
- ダーク・ブルーが、もっとも価値がありますが、色が薄くても、熱を加えると濃くなります。
- この標本は、水色・六角柱状で、 周りをとりまく鉱物は白雲母。
4月の誕生石 ダイアモンド(Diamond)
産地: 主に南アフリカ
- もっとも硬く、屈折率の高い鉱物で、七色の虹のきらめきを放つ、「宝石の王様」です。
- 地下300km以上の、高温、高圧のマグマにより、炭素が結晶化したものです。
- 鉛筆の芯に使われる、黒くて軟らかな石墨は、同じ炭素でできた鉱物です。
5月の誕生石 エメラルド(Emerald)
産地: ブラジル バイア州 カルナイーバ鉱山
- 緑色の代表的な宝石で、アクアマリンと同じ、緑柱石の仲間です。
- ほとんどのエメラルドは、気泡やヒビがあり、西洋ではないものねだりを、「傷のないエメラルドをのぞむようなもの」というそうです。
- 標本の結晶は、緑色で六角柱状です。黒雲母片岩中にあります。
6月の誕生石 真珠(Pearl)
産地: 日本 三重県 志摩
- 養殖される真珠は、貝に人工的に核となるものを入れてつくられます。
- 貝の中で、炭酸カルシウムとコンキオリンという物質が分泌されて、核の表面をおおい、真珠独特の光沢が生まれます。
- 手入れをしないと、変質したり、ヒビが入るデリケートな宝石です。
7月の誕生石 ルビー(Ruby)
産地: パキスタン Jadwagdal
- 赤色の代表的な宝石。
- ほんの少し青みがかった真紅色、「鳩の血色(ピジョン・ブラッド)」がもっとも価値が高いとされます。
- この標本は、結晶が方解石上に成長したもので、これだけの大きさのものはまれです。
- 紫外線をあてると、真っ赤に光ります。
8月の誕生石 ペリドット(Peridot)
産地: アメリカ アリゾナ州
- ペリドットは宝石名で、オリーブ色から、鉱物名はオリビンOlivine。日本名は「カンラン石」。
- 石には、ごく普通に含まれており、小さな結晶は溶岩中に見つけだすことができます。
- 大きな結晶は少なく、黄味が強い若草色のものが、宝石用に使われます。
9月の誕生石 サファイア(Sapphire)
産地: モザンビーク
- 青色の代表的な宝石。
- ダイヤモンドの次に硬い、コランダムという鉱物で、濃い赤色の宝石は「ルビー」で、それ以外の色は、全て「サファイア」です。
- 価値がもっとも高い色は、矢車菊の青色(コーンフラワーブルー)です。
10月の誕生石 トルマリン(Tourmaline)
産地: ブラジル ミナスジェライス州
- スリランカのシンハリ語「トルマリ」が語源で、「おおくのものをもっている」という意味。1つの結晶に、さまざまな色が見られるため。
- この標本では、結晶が六角柱状で、色が紫から緑へ、美しく変化しているのがわかります。周りの結晶は、水晶や曹長石。
11月の誕生石 トパーズ(Topaz)
産地: ブラジル ミナスジェライス州 ドュアズバーハズ鉱山
- ウイスキー色のイメージの宝石ですが、天然でオレンジ色のものは、ブラジル産の一部だけです。
- この標本は、世界最大級のトパーズ原石(約120kg)で、Surpresaといいます。研磨後の推定カラット数は、10数万カラット。
12月の誕生石 トルコ石(Turquoise)
産地: 中国
- 名前は「トルコの石」ですが、トルコではほとんどとれません。昔、イランなどから、トルコ経由でヨーロッパに運びこまれたのが由来です。
- アメリカやカナダが主な産地。
- 装飾品としてよく使われますが、偽物がとても多い宝石です。
エネルギー
石油; 油頁岩
産地: アメリカ コロラド州
- 油分を15%以上含む頁岩。
- 石油のもとになる原油は、石と石との隙間に油分として存在し、圧力を利用してスポンジから水を絞り出すようにして汲みあげます。
- 日本では、新潟県を中心にほんの僅かですが、原油を掘りだしています。
- 石油は、暖房などの熱源や、ガソリンなどの動力源、また様々な化学製品の原材料として、とても幅広く使われます。
石炭
- 産業化の重要なエネルギー源として、明治時代の初頭から掘りだされ「黒ダイヤ」とよばれてきました。
- 戦後は石油にその座をうばわれ、日本最大の石炭鉱山、「三池炭坑」も官営時代から124年にわたる歴史の幕を閉じました。
- 石炭は、草炭・褐炭・レキ青炭・無煙炭に分類され、褐炭より上質の物は、発熱量・燃料費・粘結性でランクづけされます。
石炭; 草炭
産地: 北海道 天塩郡 サロベツ
石炭; 褐炭
産地: 北海道 天塩郡 宗谷小石
石炭; レキ青炭
産地: 福岡県 三池炭坑
石炭; 無煙炭
産地: ベトナム ホンゲイ
ウラン鉱; 閃ウラン鉱
産地: 福岡県 田川郡 小峠
- 閃ウラン鉱は、ウランをとりだす重要な鉱物で、ほとんどのウラン鉱は、これが変化したものです。
- ウランは人体に有害な放射線をだし、原子爆弾など、恐ろしい兵器にもなります。
- 日本では、原子力発電に必要な資源として平和利用されています。
マンガン団塊(だんかい)
産地: 沖大東島付近 深さ2,990m
- マンガン団塊は、深さ3,000〜6,000mの断層ぞいの海底に点在しています。
- 黒色で球状。1,000年で約1mm成長します。
- マンガンが最も多く、コバルトやニッケル、チタンなど、希少価値の高い金属が含まれているため、次世代の資源として注目されています。
- 写真の標本では、風化した玄武岩を核として成長した様子がわかります。
郷土資料
高師小僧
産地: 豊橋市
- 褐鉄鉱という「鉱物」の一種。
- 粘土質で、水分が多い土地に生える植物の根に、鉄分が集ってできます。
- 高師ヶ原に多く、雨あがりに地面にから飛び出た様子が、子供に似ていたのが名前の由来。
- 昭和32年(1957年)、高師台中学校の校庭の一部が県の天然記念物指定地となりました。
金銀鉱石
産地: 北設楽郡 津具村 津具金山
- 戦国時代の武将、武田信玄により開発された金山。
- その後廃坑となり、明治27年に古瀬金兵衛によって再発見されました。
- 本格的な開発は、藤代豊氏によって昭和7年頃始まり、最盛期の昭和14年には、1tあたり平均18.6gの金を産出しましたが、昭和33年に閉山しました。
- 写真の標本の黒い脈の部分に、細かい輝安鉱と金が含まれています。
凝灰岩-砥石(といし)
産地: 南設楽郡 鳳来町
- 砥石の材料は、非常に細かい石英粒が入った凝灰岩で、この石英が刃の凹凸面をそろえ、切れ味をよくします。
- 奥三河の宇連ダムの奥が産地。
- 古くは江戸時代から使われていました。製品は「三河白砥」とよばれています。
- 2つ目の写真は、砥石の完成品です。
マンガン鉱石; バラ輝石
産地: 北設楽郡 設楽町 田口鉱山
- 空気にふれると黒く変質します。
- 田口鉱山は、第二次世界大戦から戦後にかけて開発された鉱山の一つです。
- 領家変成帯にあり、熱や圧力で変成した層状マンガン鉱床で、一時は国内トップクラスの産出量を誇っていました。
- マンガンは、他の金属との合金や乾電池、鉄鉱の精錬用に使われます。
マンガン鉱石; パイロクスマンガン鉱
産地: 北設楽郡 設楽町 田口鉱山
- 鮮赤色、硬度は低い。
- 田口鉱山は、第二次世界大戦から戦後にかけて開発された鉱山の一つです。
- 領家変成帯にあり、熱や圧力で変成した層状マンガン鉱床で、一時は国内トップクラスの産出量を誇っていました。
- マンガンは、他の金属との合金や乾電池、鉄鉱の精錬用に使われます。
頁岩-硯石(すずりいし)
産地: 南設楽郡 鳳来町
- 鳳来寺山は、硯(すずり)の材料となる良質の頁岩がとれ、硯の有名な産地になっています。
- 頁岩は価値が高い順に、金鳳石(きんぽうせき)鳳鳴石(ほうめいせき)煙厳石(えんがんせき)といいます。
- 金鳳石は、微細な黄鉄鉱がキラキラ光るもので、なかなか手に入りません。
- 2つ目の写真は、硯(鳳鳴石)の完成品です。
絹雲母(きぬうんも)
産地: 北設楽郡 東栄町 振草
- 岩石の長石類が熱水や圧力で変質し、白雲母によく似た特性をもっています。
- 東栄町の絹雲母は、粒子が細かく純白で光沢があります。
- 滑らかにのび、ファンデーションやクリームなど化粧品に使われています。
- 写真の標本では、晶洞に輝安鉱と黄鉄鉱が晶出しています。
- 2つ目の写真は、原石を加工して製品にしたものです。